「さてさて、ご飯食べ終わった後ですし、ちょっとのんびりめに進みましょうか。ワールドアクシス・パークからさらに南へ下ったこちらは、ローズクオーツストリートです。薔薇石英といえば、可愛らしい半透明のピンク色から、よく恋愛のお守りになんかされてますな。そんな関係か、占い館なんかもあったりしますね」
「……あの。さっきまでと違ってちょっと雰囲気が暗い気がするのは気のせい?」
「あっはっは。たぶん、気のせいじゃないだろうね。ここは特に建築当時の面影を残していて建物が古い上に、もともと外観に凝りすぎて発展が遅れたこともあって、ガイアポリスで一番最初にスラム化しちゃったんだよね。今もそんなに治安がいいとは言えないかな? 怪しい店もありますし」
「そ、それは……」
「大丈夫、大丈夫。昼間に太い道を歩いている分には、他とそう変わらないから。それにしても、建国当時の面影を一番残している通りが、こういううらぶれた風情のところっていうのは、ちょっと納得できるところもあるけど、やっぱり寂しいものがりますね。なにせこの先が悪名高い貧民街だから」
「え……」
「あっはっは。というわけで、そろそろ引き返しましょうか」