FROTY COFFEE * OTS2

Ωの海と覗き眼鏡

「注文もすみましたところで、さて。まずはこれを君にあげましょ。ゴーグルです。これでΩ-NETに潜るよ。新品じゃなくて悪いね。これは俺のお古なのですよ」

「いえ、ありがとうござます」

「……んー。まずはバンド合わせるのだけやっちゃおうか?」

「え。えーっと……」

「うん、それそれ。で、こーやって調整するの。まあ自分でやってみて、覚えて?」

「はい」

「さてさて。君が始めようとしている1-bitダイビングに必要なのがそのゴーグル、そして俺のつけてるこのカチューシャみたいのと、このちっこいディスプレイのセット…… これはレーダーっていうんだけどね。まずはこの2つは必須ですよん」

「はい」

「んで、まあ、ゴーグルにはスタティックメモリだとかのパーツが入ってるわけなんだけど、これの説明については後でするね。こういう個々のパーツはゴーグルでもレーダーでも性能のピンキリがあって、一般的に高いほどダイビングしやすくなるよ。お金かかるけどね」

「パーツって、高いんですか?」

「んー。いいやつは高いね、ほんと。まあ、そこそこのなら、初心者のダイバーがいくつかく仕事を受ければ手に入るねえ。ま、最近は低レベルの依頼なんてすぐに取られちゃうって話だけどね」