「はいはーい、お待ちしておりましたよカロネ嬢」
「……ど、どうも」
「まあまあ、まずはお席についてくださいな。注文はメニューから適当にどうぞ。ここは俺が持ちますしー…… あー、まあ、汁物はなるたけ避けた方がいいかも? 機械扱いますし」
「はあ、分かりました」
「さて、落ち着いたと思うので改めて自己紹介をば。俺はルシアン・エアリアル。ルーでいいから。聞いてると思うけど、フリートの高校時代からの悪友よん」
「あなた、ハッカー……なのよね。私はカロネ・マリノヴァ。よろしくお願いします」
「はいはいはーい、緊張するのは分かるけどね。とりあえず今日はレクチャーだけしますよん。1-bitダイビングのね。ところで、カロネ嬢は1-bitダイビングについてどれだけ知ってるのかな?」
「……。うーん、昔のネットワークサービスで使われていたデータを、探し出すために発明された通信方法、みたいな話は聞いたことがあります。あとは、昔の通信方法より危険だということくらい、です」
「OK。分かりましたよん。当たってますし、そんな不安そうな顔で言わなくても大丈夫。それくらいの認識あれば俺も説明するの楽になりますしね。さてさて、注文するものは決まりましたかな?」
「あ、はい」
「ではウェイターさん呼んで注文しちゃいましょー」